結婚を言い出さない彼とつきあっている場合、いつかは結婚できるのか? 永遠に結婚できないのか?
結婚を言い出さない彼とつきあっている場合、いつかは結婚できるのか? 永遠に結婚できないのか?
私のところに結婚相談でやってくる女性たちの中で多いのが、「結婚を言い出さない彼氏ともう何年もつきあっている」というケースです。
彼女たちは、「彼と結婚できる保証はないので、内緒で婚活を始めたい」と決まって言います。
中には、同棲中の人もいます。「もう3年同棲しているんです。“そろそろ籍を入れない?”って話をしたら、“このままでいいよ”と彼から言われてしまって」と。
恋人はいる。でも結婚を言い出さない。この類の悩み相談にやってくるのは、たいていが女性。男性で、「つきあっている彼女に結婚しようと言ったのに、“このままの関係でいいじゃない”と言われた」という話はあまり聞いたことがありませんし、そうした相談も受けたことがありません。
「結婚」の捉え方って、じつは男女の間で大きな違いがあるというのが私の見解です。
結婚から一番遠い場所にいる女性。それは、結婚を言い出さない彼とおつきあいをしている人です
さて、上記女性たちですが、じゃ、入会してお見合いをするかというと、まずは活動をしません。「私は結婚したいのに、彼が結婚を言い出してくれない」「どうしたら彼が結婚を言い出してくれるのでしょうか?」「こういう人とは別れたほうがいいですか?」「やっぱり新しい人を探したほうがいいでしょうか?」「こんな状態でお見合いしても、お相手は見つかりませんか?」「でも、彼が好きなのでできることなら彼と結婚したいんです」「どうしたら彼は、結婚を言い出すのでしょうか」
堂々巡りな質問を繰り返し、ひと通り心の中にあるモヤモヤを吐き出すと、すっきりとした顔 で“結婚を言い出さない彼氏”の元へと帰っていきます。
おつきあいしている人がいなければ、出会いを求めますよね。結婚相手を探しますよね。でも、つきあっている人がいると、現状は不満だけれど、彼がいるから寂しくない。結婚を言い出してくれないのは不満だけど、彼のことは好き。いつかは結婚を言い出してくれるんじゃないか。こうしてなんとなく月日が流れてしまう‥‥。
そんなことを3年、4年と続けているうちにお互いの気持ちが離れていって、別れてしまったり、同棲を解消したりすることもありますね。
結婚から一番遠くにいる女性って、実は“彼氏がいない女性”ではなく、“結婚を言い出さない彼氏とつきあっている女性”のような気が、私はするのですよ。
つきあっている(または同棲している)男性が、なかなか結婚を決意しない本音とは?
近年同棲カップルは年々増加傾向にあるそうです。でも「同棲」をする男性ほど、結婚を言い出さない。「結婚」と「同棲」って、好きな男女がひとつ屋根の下で暮らすという行為は、まったく同じ。何が違うかといえば、そこに『婚姻届』という法的な一枚の紙が介在するかどうかです。
なぜ女性は「結婚」をしたがり、男性は「同棲」のままでいいと思うのか。
それは先にも述べたように、「結婚」の捉え方が男性と女性とではまったく違うからだと思うんです。
女性が結婚を考えるのは、どういう時でしょうか?
「つきあっている彼が大好きで、ずっと一緒にいたいと思ったから」それが一番の正統派の理由なのでしょう。でも裏側にはもっと現実的な理由が隠れています。
30を過ぎると、女性は誕生日を境に結婚を考えるようになります。それは“老い”への不安、“孤独”への恐怖からでしょう。
仕事がうまくいかない、会社をそろそろ辞めたい、そんな時にも女性は結婚を考えます。
逆に仕事が楽しくて、ノリにノッている時には「結婚」を考えません。結婚することによって仕事が思い切りできなくなったり、出産によって時間の自由を奪われたりするのが嫌だからです。
また、ひとり暮らしをしている女性が金銭面での不安にかられた時にも結婚を考えます。結婚をすれば、家賃、光熱費、食費などを男性にサポートしてもらえるから、生活を自分ひとりで支えなくていい。生活が楽になると思うからです。
では、男性が結婚を考える時とはどんな時でしょうか?
以前お会いしたバツイチ男性がこんなことを言っていました。
「離婚前の3LDKのマンションは、2人の子どもがチョロチョロしていて、家族の声が響いていて、荷物が多くて、すごく手狭に感じた。ところがひとりになったらものすごく広く感じる。この間、シンとしずまりかえったリビングで、ポツンとソファに座っていた時に“俺は、このまま独りで死んでいくのか”と思ったら、ゾ〜〜ッとした。再婚を真剣に考えましたよ」と。
彼のように“老い”への不安や“孤独”への恐怖から結婚を考えることはあるかもしれません。そこは女性と同じですね。
ところが、女性と決定的に違うのは、自分の仕事がうまくいっていなかったり、転職をしようと求職中だったりする時には、まず結婚を考えないというところです。男性が結婚を考えるのは、女性とは正反対で、仕事が安定していて自分に自信がある時。自分がノリにノッてる時。
つまり女性のとっての結婚は、“男性の生活に乗っかっちゃえば楽になる”という感覚がどこかにあるのですが、男性にとっての結婚は“女房子どもの人生を背負う”という責任感が伴う。
女性の結婚は『永久就職』という言葉で例えられますが、男性の結婚にこの言葉は使われません。
私が結婚したいと思った理由
もちろん上記の考え方は一般論で、すべての男女には当てはまりません。
「結婚」という制度には興味がない、「事実婚」でいいという考え方の人もいるでしょう。
私は、「事実婚」でなく「結婚」を望みました。結婚生活は、今年で18年になりますが、30を過ぎたころから、猛烈に「結婚」がしたくて、「何が何でも結婚しよう!」と、血眼になって婚活しました(笑)。
なぜ結婚したかったのか?
それは『結婚』という枠の中に入って、安心したかったというのもあるのですが、一番の理由は、子どもが欲しかった。出産するためのパスポートが結婚。結婚しなくても子どもを作り産むことはできますが、非摘出子への偏見も強いし、子どもはやはりお父さんとお母さんが必要だと思ったんですね。
あと、私には残りの人生をひとりで生きていく覚悟がなかった。これに関しては、同棲や事実婚でもカバーできるのですが、気持ちだけでつながっているのは、いつ相手の気持ちが変わるかわからないし、法によって相互扶助を制度化してもらったほうが安心できる気がしたのです。
そして私は36歳の時にお見合い結婚をし、40歳で双子を産んで、念願の家族を築きました。
恋愛って実はひとりよがりなもの
出会い、お互いがお互いを好きになってスタートするのが恋愛関係です。でも、自分が相手をどのくらい好きで、また相手が自分のことをどのくらい好きなのかは、数値で計測できませんよね。
先日、31歳の男性のお会いしました。彼は童貞くんだったのですが恋愛経験はあると言うのです。「大学時代につきあっていた子がいる」と。「どういうおつきあいだったの?」と聞くと「大学のカフェで何度かランチをして、映画を一度観に行った」
これって、彼は「彼女とつきあっていた」と恋愛にカウントしているけれど、彼女は「たまにランチして、誘われたから一回映画に行った同級生」だと考えていて、恋愛にはカウントしていない気がするのです。
年上女性と年下男性のカップルに多い例ですが、月に1、2度食事しHをする関係を続けている。男性側は“なんとなく付き合ってるっぽい関係”なのだけれど、女性はHをしている段階で“つきあっている彼氏!”という認識。こういうカップルは、女性が、「私との結婚は考えている?」と聞いた段階で関係が終わります。なぜなら、結婚という言葉を聞いたとたんに、彼の中で彼女の存在が重たくなり、「結婚? そこまでの責任は持てないよ」となるから。
結婚によって紐づくものがある
恋愛は二人だけの関係を築いていればいいのですが、結婚となるとそこにお互いの親、兄弟、親戚が紐づいて連なります。
恋愛している時は、友達には紹介しても親に新ためて紹介はしません。ところが結婚を決めると、お互いの両親に「結婚」のあいさつに行きます。両親に報告もなしに、勝手に籍を入れてしまうカップルはまずいないでしょう。
男性はこの時、彼女を連れて行ったら両親は彼女を見てなんと言うかを、まずは想像します。男性は意外と気が小さいので、連れて行った女性を両親がどう思うのか、特に母親が合格点を出すかどうか非常に気になります。
また彼女の家に行って、両親に会い、父親の目の前で「結婚させてください」と言うのは、多大な緊張感と責任感が伴う気の重たい行動です。
つまり、「結婚をする」というのは、女性が考えるよりも男性にとってはかなりハードルが高いことなのです。
まとめ
「結婚を言い出さない彼とつきあっている場合、いつかは結婚できるのか? それとも永遠に結婚できないのか?」ということに関して、私は長年“結婚を言い出さない彼氏は、永遠に結婚を言い出さない”と思っています。
20代同士のカップルの場合は、長年つきあっていて結婚することも多い。でも30を過ぎたカップルで「長い春の末に結婚」という話は、あまり聞きません。
もちろんゼロではありませんよ。確率論でいうと結婚しないことが多い。
なので、“結婚したい!”と真剣に考えている方たち(特に女性)は、なし崩し的におつきあいしていないで、しっかり“結婚”できるかどうかの意思確認をしたほうがよいと思うのですが、いかがでしょうか?