夏の出会いは、「ひと夏の恋で終わる」のか「夏の恋は実り、結婚に結びつく」のか
夏の出会いは、「ひと夏の恋で終わる」のか「夏の恋は実り、結婚に結びつく」のか
春夏秋冬の季節の中でも、一番恋が始まりやすい季節が夏だと言われています。でも『ひと夏の恋』という言葉があるように、“夏始まった恋は、季節が変われば終わってしまう”。そんなふうにも言われています。
これを読んでいるみなさんは、夏に素敵な出会いはありましたか? また、これまでを振り返ってみて、夏に忘れられない恋をしたことがありますか? その恋の結末はどうだったのでしょうか?
夏に始まる恋について考えてみたいと思います。
・夏に恋が始まりやすい理由
なぜ夏に恋が始まりやすいのか。そこには科学的根拠があるのです。
学生も社会人も日本の場合は、春がスタートラインですよね。春から勉強や仕事の日常がずっと続いて、それがルーティンワークになってきた。そんなところに夏がやってきます。
夏は他の季節に比べて、非日常を演出する「特別感」がたくさんある。
たとえば、「花火大会」「野外コンサート」「フェス」「旅行」「海水浴」「BBQ」などなど、休暇を利用して参加できるイベントが盛りだくさんです。しかも季節柄、屋外でのイベントが多いんですね。
非日常に身を置くと、開放感から脳が「ドーパミン」や「エンドルフィン」といった快感物質が分泌する指令を出すそうなんです。これらの物質は興奮や高揚感を起こす作用があって、人間の警戒心を緩めてくれる。
また肌を露出する季節でもあるから、街中でもビーチでも、男性は女性のくびれたウエストラインや盛り上がったバストラインを、女性は男性の暑い胸板を目の当たりにするわけです。視覚的にも刺激されるんです。
警戒心が緩んでいるところに、そんな刺激的なものを見たら興奮度も高まっていきますよね。
・実は紫外線も、男と女をソノ気にさせていた
さらに夏の太陽も恋愛を始める援護射撃をしています。
ジリジリと肌を焼き付ける真夏の太陽は、美肌の大敵。日焼け止めクリームや帽子や日傘でUVカットをすることが当たり前になっている昨今ですが、実は日差しを浴びると人間の体はテンションが上がるようにできているんだそうです。
太陽の光を浴びると脳内の神経伝達物質の「セロトニン」が分泌されるようになるんです。セロトニンは覚醒ホルモンとも言われていて、この分泌が盛んになると、心と体が活性化される。
さらに、男性は男性ホルモンのテストステロンが、女性は女性ホルモンのエストロゲンも太陽の光を浴びることで増加するそうです。男性ホルモン、女性ホルモンは別名、欲情ホルモンと言われていますから、性欲も活性化されるわけですね。
つまり、太陽の下にいると気持ちが大胆になり異性への関心も高くなって、相手へのアプローチも積極的になりやすいのです。
春からの平凡なルーティンワークが日常だったのに、夏のイベントで出くわす非日常空間における様々な刺激と出会い。太陽の魔力。これはもう恋が始まらないわけがないんですよね。
・非日常の中で始まった恋は、日常に戻った秋でも続くのか
現在27歳のY美さんが、こんな話をしてくれました。
22歳の夏に大学の友達とレジャーランドに遊びに行き、そこでプールの監視員をやっていた2つ年下の体育大学の男子からナンパされ、恋に落ちたそうです。
「驚くほど一気に燃え上がりました。私はお嬢様系の女子大に通っていて、それまで交流のあった男子っておぼっちゃま系の大学が多くって。彼は年下で、それまで周りにいた男子たちとは違ってヤンチャ系。焼けた肌と筋肉質の体が野性味溢れていて刺激的だった。つきあうようになってから。一緒にいる時はいつもお互いの体のどこかに触れ合っていました」
ところが夏が終わって、気温も涼しくなってきた秋の入り口、Y美さんの燃え上がっていた恋の炎は、すぅ〜と下火になった。
「夏の間はTシャツやタンクトップからのぞく彼の二の腕や厚い胸板がすごく素敵だった。でも、秋になって袖ものを着るようになったらなんだかダサく見えてきちゃって。筋肉隆々の人って体を覆うスタイリッシュな服は基本似合わないんですよ。ヤンチャな喋り方が好きだったのに、それもなんだか品がなくて話す内容も薄っぺらく感じるようになった。急に魔法が解けた感じ。なんであんなに夢中だったのかが不思議になりました」
結局秋口に分かれてしまったそうです。
これは、夏に恋に落ち、その恋がひと夏で終わる典型的なパターンですよね。
では、なぜY美さんの気持ちがトーンダウンしてしまったのか、考えてみましょう。
・非日常の中で始まった恋は、日常に戻ると色あせる
おぼっちゃま系しか周りにいなかったY美さんにとって、体育大、筋肉質の彼は新鮮な存在。そのギャップが魅力的だったのでしょう。それまでは雄の度数がMAXでも80%くらいの男子しか知らなかったのに、雄度数200%くらいの男性に出会ってしまったわけです。
ところが秋になり日常に戻ってみると、非日常の時に素敵に見えていたものが一気に色褪せていった。感覚や感情を優先させて恋をしていたのに、日常にもどったとたんに、脳で彼のことを分析し始めた。彼の中身にフォーカスしてみると、生活感、価値観、言葉の選び方などが、自分とはまったく合わなかったと気づいてしまった。
二人でいる時は、いつもお互いの体のどこかに触れ合っていたというのも、別れを早めてしまった原因ではないでしょうか。これは欲情ホルモンの垂れ流し状態(笑)。先に記したように、太陽の光は覚醒ホルモンと言われるセロトニンや男性ホルモンのテストステロン、女性ホルモンのエストロゲンをじゃんじゃん分泌させていたわけです。それが秋になり、太陽の日差しの勢いも衰えてくるとともにホルモン分泌も衰えていった。それによって気持ちもトーンダウンしたと考えられますね(と、これは、あくまで私の自論ですが( ^ω^ ))
・結婚に繋がる夏の恋もある
夏の出会いを「ひと夏の恋」では終わらせずに、結婚へと結びつけた女性もいます。それが私の会員のEさん(39歳)。彼女は、7月末にお見合いした男性に、10月にプロポーズ。成婚退会していく時に、彼女が言っていたこんな言葉が印象的でした。
「夏は、一緒に海に行ったり、花火大会にいったりして、アウトドアのデートを思い切り楽しみました。楽しくて、楽しくて、太陽の下でいつも笑っていた感じ。それが9月になってからは、じっくり彼と話すようになったんです。仕事のこと、子どもの頃の話や学生時代の話、両親や兄弟のこと‥‥いろんなことを話しているうちに、彼のことをますます好きになっていった。“この人と絶対に結婚したい”“結婚するならこの人しかいない”って気持ちになったんですね。だから10月のプロポーズされた時には、本当にうれしかった」
彼女の場合は、お見合いなので「結婚相手を探す」という下地があったから、一般的な出会いとは、多少事情が異なるかもしれません。
ただ言えることは夏に始まった恋は、9月に入って、学校や会社がルーティーンに戻った時に、その恋をどう思えるかで運命が決まる。
お互いの本質が見えてきた時に、その人が素敵に見えるのか、夏の魔法が解けるのかは、出会ったお相手次第だし、それこそご縁と相性なのでしょう。
・9月10月を越えたら、夏の恋が本物になる可能性高し!
10月に入ると、街がハロウィンで華やかに盛り上がります。そして11月になると今度はクリスマス仕様に化粧直し。街のいたるところに大きなクリスマスツリーが飾られ、イルミネーションの名所も登場します。
「夜景心理学」というのがあるそうです。
人は、ビビッドな色が組み合わされた光や、強い光に興奮する傾向にある。それらを見るとドキドキするんです。人がドキドキするには2パターンあって、ひとつは心臓の鼓動によって呼吸の乱れるドキドキ。もうひとつは脳の活動水準が高くなって中枢神経が活発になることから起きるドイドキ。
後者のドキドキを感じた時に、好きな人と手を握っていたりすると、その人との間に運命を感じてしまう、それが「夜景心理学」。
非日常の夏に出会って恋をして、秋にお互いの本質をわかりあう時間を過ごすことができたら、冬には街のイルミネーションが二人の愛の結びつきがさらに深くなるように援護射撃をしてくれるわけです。
かなりロマンチックな机上の論理を述べてみましたが(笑)、夏に始まった恋も秋を過ぎ、冬を越えた時には、本物になっているということですね。
まとめ
夏の出会いは、「ひと夏の恋で終わる」のか「実り結婚に結びつく」のか。これは、出会ったお相手にもよるのでしょう。
最近は、恋愛をしない男女が増えています。厚生労働省の関係機関である『国民社会保障・人口問題研究所』が、未婚男女7000人に“性経験があり/ なし”を調査したところ
- 18~19歳……女性/1%、男性/68.5%
- 20~24歳……女性/1%、男性/40.5%
- 25~29歳……女性/3%、男性/25.1%
- 30~34歳……女性/8%、男性/26.1%
という結果が出ています(2010年調べ)。
この結果だと、30歳を過ぎても、男性の3人から4人に一人が異性経験がない、ということになりますね。
“誰とでもいいから恋愛をしなさい”とは言えないのですが、たとえひと夏の恋だったとしても、一瞬燃え盛った炎であったとしても、私は“人を好きになった”ことに、価値があると思うのです。
非日常の夏に太陽のパワーを借りて、どんどん恋をしましょうよ。
みなさんは、どう思われますか?